約30年前(1995年頃)に中途採用で入社。川越営業所に3年間配属された後、狭山、坂戸、大宮、加須と複数の営業所で経験を積み、2021年から現在の大宮営業所で勤務。
私が入社したのは、約30年前(1995年頃)で23歳ぐらいだったと思います。高校卒業後、アルバイトをしながら車に携わる仕事を探していた時に、求人雑誌で中村オートパーツを知りました。昔から車が好きなので、「部品商」という仕事に挑戦してみたいと思ったのと、当時の勤務地が自宅から近い川越営業所だったことも入社の決め手の一つでした。
最初に配属された川越営業所では、約1年半ほど、営業所近隣の様々なお客様のご注文部品や商材をお届けするフリー営業を経験しました。当時は無線システムで社内と連絡を取り、会社支給のテレホンカードを使って公衆電話からお客様に連絡したり、発注業務を行っていたのが懐かしいです。今では社用携帯電話があり、業務が格段にやりやすくなりました。
フリー営業を経てコース担当となり、川越営業所時代は10~15社のお客様を担当しました。その後、複数の営業所を経験する中で実務経験と専門知識を積み重ね、配達営業から内勤のカウンター業務を行うようになりました。
カウンター業務は、お客様からの電話やFAXでのご注文に対して、部品名を聞くだけではなく、お客様が何を希望されているのか、具体的にイメージできるかが非常に重要なため、長年の経験と知識が必要とされます。フリー営業とコース担当を長く経験し、車の専門知識を深めるだけでなく、お客様それぞれの特徴や何を求められているのかを正確に把握して対応することが、カウンター業務には求められます。
部品商という仕事の役目を野球に例えるなら、単にボール(部品)を届ける外野手ではありません。お客様が「ヒットを打ちたい(修理を完了させたい)」と思われた時に、必須となるバット(メインの部品)だけでなく、相手投手の状態(車の状態)を予測して、ヒットの確率を上げるためのアドバイス(付属部品や関連商材の提案)を行う総合的なサポート役です。お客様のアシストを行うには、日頃から綿密なコミュニケーションがとても大切です。お客様が次に何を必要とされるのか想像を巡らせてご提案できるようになるには、長年の経験や知識が必要不可欠だと私は思います。
仕事で最も嬉しい瞬間は、やはりお客様に「助かったよ!」と言われた時です。特にやりがいを感じるのは、お客様から注文された部品だけでなく、「これも必要ではないでしょうか?」とご提案し、そのご提案を採用頂けた時です。お客様とのコミュニケーションを繰り返すことで、「君に任せるよ!」というお言葉を頂けるようになった時は、嬉しさと達成感を感じます。
私は約30年間勤務していますが、常に心がけているのは「わかったふり」をしないことです。車の進化は目覚ましく、新型車の機能や、軽量化された部品など、新しいものが次々と出てくるため、特に新しい技術に関わるものはベテランであってもわからないことがあります。だからこそ「わかったふり」はせず、わからない時はきちんと確認し、常に謙虚な姿勢でいることが、お客様への信頼につながります。
部品商という職種は、一般的な業務では分類できない特殊な仕事で、それが面白みだと私は感じています。お客様から必要とされ、信頼を得るには、お客様とのコミュニケーションをどれだけ取れるかにかかっています。お客様の中には職人気質で口数が少ない方もいますが、そうした方と接することで、自分自身の人間的な成長にもつながります。なかなか話してもらえなかったお客様から、話しかけられてご注文を頂けた時の喜びはとても大きいです。知識や経験を積み重ねることで、効率的に仕事ができるようになり、お客様との信頼関係も深まります。
約10年前に係長に昇格しました。当社では、特定の昇進試験があるわけではなく、日々の業務を通じて所長から推薦され、ゾーン長や中村社長の承認を経て決まります。私自身が評価される側のため明確には分かりませんが、挨拶や電話対応、出勤態度、営業成績、責任感、主体的な行動、そして何よりもお客様からの評判や信頼といった日常業務の中での評価が昇進につながるのではないかと思います。
新人の方には、ぜひ「新人だから」という特権を活かしてほしいですね。新人であることを正直にお客様に伝えて、「今この商品が当社のオススメなので、お声がけさせてもらってます!」とまずは素直に言ってみてください。ベテランの営業担当だと、お客様からすぐに断られてしまうこともあるのですが、新人なら「じゃあ1個くらい持ってきなよ」とおっしゃってくださる場合もあります。
車に関する知識があることよりも、重要なのは「めげない」ことだと私は思います。部品や商材の知識は業務の中で覚えればいい。最も重要なのは、人と接することを恐れず、人とのコミュニケーションが好きで、壁にぶつかっても落ち込みすぎず、前進しようと前向きに行動できることです。お客様から言われたことや、断られた理由を自分の中で蓄積し、次の営業で生かしていく。お客様とコミュニケーションを取ろうとする意思さえあれば、必ず成長できます。